My-yuki Project

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1999年 7月 5日作成

「なぜ私はここにいるのだろう」
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 家に帰ってからは最悪だった。母は「なぜその科目を取らなかったの?」と何度も繰り返し、また私はそれをなだめなくてはならなかった。
 まあしょうがないよ、と明るく言う私に、母は「そうしてちゃんと考えてなかったの」となじる。明るくふるまう私が、何も考えていないように見えて、彼女をいらだたせるのだろう。
 どうにも答えようがなくて、私に沈黙の時間が訪れる。――でも一番ショックなのは私なのよ?先生でもお母さんでもなくて。なのになぜ私が一番明るくて、家族を傷つけないように、気を遣わなくてはいけないの?誰もなぐさめてはくれない。「かわいそうに」と言ってほしくはない(泣き出してしまうだろうから)けど、「かわいそうに」と誰が思ってくれるの?――いや、みんなかわいそうだとは思ってくれているんだろう。被害者ぶるのはやめておこう。事実を感情で歪めてしまってはいけない。
 一秒もしないうちにこの思考はここまでたどり着き、私は母に関係ない新しい話題を提供する。彼女はこの沈黙の時間には気付いていない。――気付いているのかもしれない。教師も母も子供ではないし、今までいろいろな人間を見てきただろうから。あるいは本当に気付いていないのかもしれない――まあそんな事を考えてもどうにもならないのだけど。
 父はもっと最悪だった。その日以来、ずっと機嫌が悪い。私を「見損なった」と言った。「子供はもう信用しない」と言った。「勉強」という言葉が出ただけでも怒るようになった。
 私のせいだ。私の間の抜けた性格のせいだ。私がちゃんと調べてなかったから――だけどちょっと待って、悲しいのは私じゃないの?まあ、どうでもいいことだけど。
「まあ、どうでもいいことだけど。」私にとってこれほどこの世の中で便利な言葉はない。私に起こる悲劇は全て「どうでもいいこと」なのだ。だから、他人が原因を作ったとしても、その人を恨む必要はない。「どうでもいいこと」だから、悲しんでいた原因ごと、悲しんでいた感情ごと、忘却の彼方へ追いやってしまえる。うやむやのままで。
 私は何も悩まない。悩む事自体、自分が欠陥のある落ちこぼれのような気がして嫌だ。いや、憎んでさえいる。それに、悩んだら他人に迷惑がかかる。
 私は「自分の意志で」悩めない。

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